地域貢献 2025.01.04
中学生の研究への協力(スクールサポート事業)
スクールサポート事業として,中学生の研究に協力しました。
2024年11月1日(金)に、門真市の中学3年生の2名が本学を訪問されました。「総合的な探求の時間」で,自分の興味あるテーマについて1年間かけて調べて研究論文にまとめる取り組みをされておられ,その一環として大学教員への取材をされるためです。本やインターネットでは学べないことを学びたいという気持ちから訪問してくださいました。
まず、「なぜ歴史を勉強するのか」というテーマで社会学を専門とする教員が取材を受けました。
「戦争のことや原爆のことを勉強するのは世界平和のために必要だと思うが、戦国時代などの遠い昔の話を勉強しても将来役立つとは思えない」という疑問から、つぎの3つの質問を受けました。
「なぜ歴史を勉強するのか」「歴史の学習は将来どのようなときに役立つのか」「歴史を勉強して得られる知識は何か」。
つぎのようなことをお話ししました。
・試験が歴史を学ぶことをつまらなくしているかもしれないこと。
・いま起こっていることを理解するには過去のことを知る必要があること。
・人間社会あるいは人生の進め方は実験できない。だから過去の出来事から学ぶしかないこと。
・歴史を学ぶことは教養を身に付けること。教養は、いろんな出来事・状況に対して正しい判断をするための知識やスキルのこと。歴史の勉強が役立つか役立たないかはあなたたちの生き方しだいであること。
次に「なぜ音楽を学ぶのか」について音楽を専門とする教員が取材を受けました。
質問内容は具体的には「なぜ授業で音楽をするのか?」「音楽の勉強をして将来に役立つのか?」の2点でした。教員自身の体験も話しながら取材に応じました。合唱や合奏で仲間と一つの音楽を作り上げることを通し、協調性や、集団の中での自分の役割を果たす大切さなど、社会の中での生き方を学んでいるのかもしれない、とお話ししました。
音楽教育に携わる者として、「授業で音楽をするのは当たり前」と無意識に思っていた節があります。今回受けた中学生の純粋な疑問は、教える立場にある者に新たな気付きを与えてくれました。
取材後、中学校の先生からお礼の連絡をいただきました。今回の取材を研究論文に活かせるよう指導されるとのことで、実りある研究発表になることを期待しています。