その他 2020.04.26

高校3年生へ

~ 学年主任エッセイ(2)~

『異文化間理解』

 私は「異文化」に触れることが好きです。大学時代は様々な国に行き、その国の人々と話したり、その国の文化や習慣を楽しみました。 
 
 私は大学1年生の時に1ヶ月間、語学研修としてオーストラリアのブリスベンというところへ行きました。語学研修では、現地の大学に行き、英語のレッスンを受けたり、そこの大学生と交流したりと充実した毎日でした。オーストラリアの大学生と話をしているときに、ある新しい発見がありました。それは、日本では、太陽を描くときに「赤」色を使って表現する人が多いのに対して、オーストラリアでは太陽を「黄色」で表現するのが一般的であるということ。また、月を描くとき日本では「黄色」が多いのに、オーストラリアでは「白」が一般的であることでした。私はそれを聞いて大変驚きました。このことがきっかけで、日本に帰ってきてから、世界中の太陽と月の色について調べてみたのですが、国・地域によって違いがありました。例えばネパールや台湾では、太陽を白く描いていたり、アルジェリアやチュニジアでは月を赤く描いているそうです。
 
 色の使い方に関してはもう一つの例を紹介します。皆さん、「郵便ポスト」をイメージしてください。何色を想像しましたか?赤をイメージした人も少なくないはずです。それは日本では郵便ポストはオレンジに近い赤色だからです。日本やイギリスでは郵便ポストは赤が多いのですが、アメリカの郵便ポストは青、フランス・ドイツの郵便ポストは黄色、中国の郵便ポストは緑色が一般的なのです。 

 ある国で実際に生活したり、現地の人と直接会って話をしたりすると、それまで頭の中でイメージしていたものとの違いに気付くことがよくあります。そして、そういった誤ったイメージにより、人間関係がうまくいかないケースもあります。 

 例えば、学校生活で考えてみましょう。郵便ポストは赤色だと決め付けたように、クラスのなかで「この子は〇〇な人だ」「あの子は△△な人だ」というように一つのイメージを勝手に決め付けて、(相手を)嫌ったり、無視してしまったということはないでしょうか。

 誤ったイメージをなくすためには、まず相手とコミュニケーションをとること。そして相手をよく知ることだと思います。イヤだと思っていた人でも、実際話してみると、「この人、いいとこあるなあ」とか「最初のイメージは間違っていたなあ」と見直すことも多いものです。できるだけ相手のいいところを探し、悪口などは言わないようにしてください。
 
 太陽の色は赤・月の色は黄色という一つだけのイメージにとらわれないで、柔軟な心をもって、人と接することができれば、人間関係がよりスムーズにいき、クラスそして学校全体が居心地のよい空間になるように思います。

高3学年主任 原 真巳 

その他TOPへ

高等学校ブログTOPへ

Pagetop

Copyright©2019 Osaka Shin-Ai Jogakuin All Rights Reserved.