卓話：「生涯学習社会における大学と地域の連携」
～地域振興と大学の活性化～

学校法人　大阪信愛女学院
理事　大学学長補佐　石田一成
　

大阪信愛女学院は１３８年の歴史を持つ伝統校です。城東区に位置し保育園から大学までを有する総合学院です。
　社会の要請に応えて5年前に小学校が、そしてこの4月には中学校高等学校が男女共学になり、さらに、従来の短期大学をベースに教育学部と看護学部の２学部を有する大学をスタートさせました。教育学部では、保育士、幼稚園教諭、小学校教諭だけでなく社会福祉主事任用資格やピアヘルパーなど多彩な資格を取得でき、様々な社会ニーズに対応できる人材を育成しています。看護学部は、看護師はもちろんのこと、養護教諭等の資格も取得できる構成になっています。

本学はカトリック系ミッションスクールとして「一人一人を大切にする教育」を基本とし、他者に対する思いやりを持ち、心優しく人間性豊かな人材の育成を目指します。これまでも、多くの卒業生を世の中に送ってきましたが、「人間教育」ということでは他の追随を許さない自信があります。

　さて、社会は急激な技術革新や国際化など目まぐるしく変化し、とくにコロナ禍ではITが急速に進み、働き方までも変化するという現象が起こっています。このような中で、新設の大学として歩む道を模索したときに、これまでの大学のように単に学びの場を提供する、あるいは研究の場であればよいという時代は終わったと考えています。地域に育てられた大阪信愛女学院です。大阪信愛学院大学も地域に愛され、地域とともに発展することを目指しています。従前から城東区とは連携協定をしていましたが、今年度は京阪沿線の自治体とも包括連携協定を結ばせていただきました。今後は企業とも積極的に連携を図り、産官学プラットフォームを形成しながら地域発展と学院の活性化を図りたいと思います。具体的には、まちの保健室や産業まつり、公開講座等を一緒にやっていこうという自治体からのお話もいただいております。本学の様々な教育資源をフルに活用していただければ幸いです。

　我が国は急激な人口減少、少子高齢化が進む中、生涯学習の重要性が叫ばれており、特に高齢者や女性の学び直し、技術革新に対応するリカレント教育は喫緊の課題とされています。本学は積極的に学びの場を提供し、心豊かで笑顔あふれる社会に貢献できる学院でありたいと思っています。

　大阪城東ロータリークラブの皆様には、是非とも、本学の様々な取り組みに対しましてご理解とご支援、ご協力を賜りたく何卒お願い申し上げます。